kim hyunseok




ファミリーレストラン




7時くらいに目を開けたら、まだ雨風が荒かった。
風の音が家のところどころに割り込んできた。
姿勢を変えて再び寝入った。
妻が僕を起こしにきた。階段を上る音で彼女が来てることがわかったが、起きようとはしなかった。
7時半だよ、起きる時間だよ。
妻は僕の近くに来てまた言った。
7時半だよ、起きる時間だよ。
昨日の夜、妻とファミリーレストランで朝ごはんを食べる約束をしていた。
簡単に着替えをして、青いニット帽子を被った。門を開けて家の外へ出かけた。
風が荒かった。ダウンジャケットを着ていたが、風に肌が包まれることが感じられた。
傘が何回もひっくり返られた。
道の反対側からくる老人は傘をさすことを諦めたのか、両手で傘を強く握って雨風に立ち向かっていた。
店に入ると、二つのテーブルだけに老人の客がいて、他のテーブルは全部空いていた。
'お好きな席へどうぞ'
窓際の席に座った。
適当な接客、適当な席、適当な音量で流れている音楽、適当な緊張感。
コーヒーを飲んだ、外は車がワイパーをつけて走っていた。人はいなかった。
店員は注文した食べ物を持ってきた。
'ごゆっくりどうぞ'
パンケーキにスクランブルエッグ、ポテトフライを食べた。
いつの間にか隣の席には背が高い老人男性が座っていた。
ニット帽子を被っていた。黒いナイキのスニーカー、灰色のアシックスの靴下。
老人はトイレと席をよく行ったり来たりした。
老人はライスの上にスクランブルエッグを乗せ、その上にケチャップをかけた。
僕と妻は前日みた映画のことについて話し合った。生きることについて話し合った。
明確には思い出せない。
隣の席の老人は時々首を縦に振った。
まるで妻の話にうなずくようだった。
会計をして、店から出た。近いところに海岸公園があったため、そこに向かった。
激しく揺れる海が見たかった。
カモメが滑るように飛んでいた。